袖口から入り肌とTシャツの間を通り抜けてゆく風さえも、いつもより温度が高かった。
空の雲も夏の装いになり、陽に負けないくらい主張していた。
アスファルトの照り返しさえ、夏間近を知らせてくれている様で、憎くない。
夏になるとすべてのものが何だか力強く見える。
照りつける日差しも、重なり合うミドリも、人も、すべてがそう見える。
あと、ふんわりした春とは違って、パリッとした空気感もなんか好き。
色で例えると原色みたいな、そんな感じ。
私が夏生まれだからなのかはよく分かんないけど、いくつになってもやはり夏が好きだ。
この、夏が始まる感じがもの凄く好き。
何かこれからミラクル起こりそうで。
もちろん根拠は、ない。
私がそう思うだけだ。
ただただ毎年駆け足になってしまう。
あっという間に終わってしまうのだから、本当はもっと噛み締めなくては。
そんなことを思う今日は、一年で最も昼が長く、夜が短いとされる日だった。
夏の知らせの日だ。
とは言うものの、まだ梅雨明けはしていないし、じめっとした日が数日あるのだろうが、夏がすぐ足下まで来ているのは確か。
梅雨明け宣言を、ラインの上につま先を揃え、待っている今日この頃。
夏至。
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